極彩色のクオーレ






少年は銀のパーツを集め、袋に戻す。


テーブルから落ちて、なくしてしまったら大変だ。



「そういう人も、なかなかいない気がします。


歪なものを嫌な顔せず受け取れるって、その人の頑張りを傍で見ずとも理解できなければそうはいきませんからね。


ティファニーさんは、心が分かるお嬢さんなんですね」


「あったり前だろ。


あいつほど優しくて……心がきれいなやつ、他にいねえ」




ふいに柔らかくなった声色に、少年は顔をあげた。


セドナは瞼を伏せ、優しげな微笑みを浮かべている。


初めて見る表情だった。





「セドナは、ティファニーのことが好」
「だーーっ!!んな、何言ってんだお前!!!!」



今の穏やかな雰囲気はどこへやら。


セドナは一瞬で手の先まで真っ赤になり、激しい音を立てて立ち上がる。


ガタンガタンと机を揺らして叫び、少年を遮った。


周りにいた客が談笑をやめてぎょっとこちらに注目する。