極彩色のクオーレ






「とでも言うと思ったかこの大バカ野郎!」



すさまじい音が部屋に響く。


勢いのあまり、ハックは枕に突っ伏した。


ぶたれた左頬よりも、変な音が鳴った首筋の方が痛い。



「お、おまっ……仮にもケガ人なんだぞ俺は」


「てめえみたいなバカには打ってつけの薬だろ、効くかどうか分かんねえけど。


昔の借り?それが俺をかばった理由?


そんなんでお前と何年も腐れ縁をやってきてる俺を騙せると思ったら大間違いだぞバカ!」


「いや、別に嘘では……」


「あ?じゃあ本当にそれだけのためにこんな大ケガしたのかよ?」



首を押さえて後ろを見上げると、タンザが腕組みをして仁王立ちしていた。


口元には引きつった笑みを浮かべ、額には青筋が浮き出し、背後に鬼が見えそうな雰囲気を出している。



「怒らねえから、正直に言ってみろ」


「すでに怒ってるだろ!


つーか誤魔化す気あんならその握り拳隠すくらいの工夫しろよ」



タンザは何も返さず、拳をギチ、と不穏に鳴らすだけだった。


次は殴られるだけでは済まないかもしれない。


別に怖くはないがこれ以上痛い思いはしたくないので、ハックはまたベッドの上に座った。