極彩色のクオーレ






これが本当の理由ではない。


かばったのは本当に反射的なこと、気づいたら動いていたことだった。


そうなった理由を考えると、思い当たるうちの一つがコレだ。


理由を問われたので、ハックは完全な嘘ではないことを述べた。



タンザはなにも言わないまま、仏頂面でハックを見ている。


その視線を真っ向から受けていられず、ハックはさらに顔を背けた。


気まずい沈黙が流れる。



「……大雑把が服を着て歩いているようなお前らしくない理由だな」



沈黙を破ったタンザの言葉に心臓がひっくり返りそうになる。


後ろでタンザが長く息を吐いた。


椅子の上で身じろぎしたのか、ギシ、と音が聞こえる。



「自他ともに認める神経質の俺でも忘れていたぞ、そんな昔のこと。


それをお前が覚えていたなんて、この世の終わりの予兆か?」


「不吉なことを言うんじゃねえよ、俺だって覚えていることは覚えている方だ」


「で、その借りをこういう形で返してくれたってことか。


ったく、妙なところで律儀なやつだな」



タンザの声音が少しだけ柔らかくなった。


怒気が収まったのだろうか。


少しほっとして顔を戻したハックの視界いっぱいに、いつの間にか椅子から離れて右手をあげるタンザの姿がとびこんだ。