「聞きたいのはこっちの方だ、バカ野郎」
タンザは椅子に腰掛け、ハックの右足を見た。
顔は見ず、ぶっきらぼうに尋ねる。
「なんで俺をかばったんだよ。
かばえばケガか、最悪腕か足の一本無くすかくらい、予測できただろ?」
ちろ、と黒眸が動き、視線が交わる。
厳しい、矢のような眼差しだ。
怒鳴ってこないので、本当に怒っているのだと悟る。
これで何も考えていなかったと答えたらどうなるだろう。
想像して少し嫌になった。
ハックは首の後ろを掻き、しどろもどろになりながら答える。
「……村を出る1年くらい前、お前、俺を助けてくれただろ?」
「は?」
「やっぱ覚えてないか……カーボさんの入門卒業試験、見習い狩人になるためのやつ。
ペアでクレイグを仕留める試験、そのとき、俺とお前で組んだだろ。
まぁ案の定、開始早々でケンカして単独で動いていたとき、俺は獣に襲われそうになった。
それをお前が助けてくれた。
空気銃を撃って獣を驚かせて追い払ってくれなかったら、俺は食い殺されていた。
だから、そのときの借り……ずっと借りっぱなしなんて気分悪いだろ」


