砲を出していたニコは、先に役に立たないと遠回しに言われ唇を突き出した。
ニコの咆は小振りだ、威力は大砲の半分しかない。
タンザはニコの右足を見て驚愕したが、今尋ねるほど愚かではなかった。
その場に転がる石を掴み、ロアに向かって投げつける。
距離があって届かず、それはすべて手前の岩場にぶつかって終わった。
ロアは一歩も動かないで4人を見ていた。
セドナが悪態をついて腿を殴る。
「クソが、どうしたら……
そうだ、おいニコ、砲であの岩を撃ってくれ」
そう言って指差したのは、ロアの後方にある突き出た岩だった。
作戦がなんとなく分かり、ニコはすぐに手板を操作して撃つ。
砲が岩の根元にめりこみ、そこが砕けた。
折れた岩が、ロアに向かって勢いよく転がり始める。
ピクッ
ロアは瞬時に反応すると、走り出してその岩に食らいついた。
初めてロアがハックから離れた。
(チャンス!)
タンザがすぐに駆け出し、ハックの元へ向かう。
しかし、ロアに気付かれてしまった。


