そこには灰色の土と砂をかぶって分かりにくくなってはいるが、たくさんの結晶が群れのように集まって広く形成してあった。
土の隙間から、血のように赤い結晶の色が見える。
ブラッディ・クォーツと名付けられたのもうなずける、見事なくらいの赤色だった。
タンザがすぐ近くの血結晶にとびつき、ハックが慌てて対岸へ走る。
「よっしゃあ!あとはこれを集めて帰るだけだな!」
「くそタンザの倍は集めてやろうっと!」
「んだと!?なら俺はその2倍!」
「じゃあ俺はその3倍!」
「じゃあ4倍!」
「5倍だ!」
「なら6倍!」
何とも低レベルな口ゲンカである。
へとへとに疲れ、暑さのせいもあり、セドナは聞いているだけで苛立ってきた。
口を動かしつつも、2人は手鉋を使って結晶を取っていく。
適当にやっているのかと思いきや、作業は丁寧だった。
ファイア村で、生物資材以外の採集の勉強をしていたのだろう。
(うまい……)
セドナは離れたところから、彼らの手際を観察していた。


