「きれいな星空ですね」
「そうなの?
晴れているときの風の匂いがしたから、雨は降っていないと思ったけど。
そっか、そんなに晴れているんだね」
また、ニコはティファニーには見えていないことを失念した。
どうも家では彼女が不自由なく振る舞うせいで、ついセドナたちと同様の接し方をしてしまう。
ティファニーは特に気にする様子もなく、空へ顔を向けた。
「……なにか、眠れなくなるようなことでもあったんですか?」
夜風に木々がざわめく。
枝葉がこすれ合い、さやさやとささやく音がする。
それが止んでからティファニーが答えた。
「父さんと母さんのこと、ちょっと思い出しちゃってね」
ずっと一緒にいるニコも、あまり教えられていないティファニーの両親。
どう言葉を返すべきか分からず、ニコは唇を尖らせる。
すると違う意味でとったのか、ティファニーがぽつぽつと話し出した。


