「北の森でも、クラウンの奥でもそんな危ない獣が居るのに。
もし勝負でガイヤの外へ行かなくちゃならなくなったら、本当に怖いなって思って」
「いや、さすがにタンザもハックもバカじゃねえだろうよ。
そんな凶悪生物に遭遇したら、ちゃんと逃げるはずだぜ?」
「どうかなぁ。あの二人はファイア村の出だろ?
あそこは生物資材の村だ。
案外、危険を顧みないで捕まえようと躍起になるんじゃ」
ラリマーが楽しそうに言ったが、妙なところで言葉が途切れた。
終わるより早く、テーブルの下でセドナが脛を蹴ったからだ。
一瞬で苦悶の表情に変わり、足を抱えてうずくまる。
(お前はティファニーを心配させてえのか、さたくねえのか、どっちなんだよ!)
セドナは心の中でそう怒鳴ってから、急いでフォローした。
「大丈夫だよ、そんなことにはなんねえさ。
きっと同行しているやつが止めるだろうから、というかそれが手伝いだったら絶対に止めるから。
だから安心しろ、な?」
「……うん、分かった」
不安や心配そうな、泣きそうな表情ばかり浮かべていたティファニーが、ようやく笑顔になる。
セドナに睨まれたせいか蹴られたせいか、余計なことを言うまいと食事が終わるまでラリマーは声を発しなかった。


