極彩色のクオーレ






ふと目に留まった調味料入れが壊れかかっていたので、ニコは工具を取り出した。


箱を直しながら問いかける。



「その凶暴な獣とは、ぼくが昼間に仕留めたウォルフィンや、以前遭遇したキマイレナのことですか?」


「シナワニとかもか?」



ニコとセドナが挙げた獣に、ティファニーが首肯する。



「多分、そうだと思う。


キマイレナを見たとき、生息地がこの近くじゃないって、誰かが言ってたよね?」



セドナが軽く挙手する。



「それ、言ったの俺だよ。


あいつらの生息地は、ヨリジェを境に反対側だ。


中心街や人里を避けて北部の山を通ってルースにまで来ているとは考えにくいから、もしかしたらヨリジェでも確認されているだろうけど。


でもキマイレナは生息地をそう簡単に拡大しない獣のはずだ。


だから森であいつと遭遇したときは、初めて見てびっくりするより、『何でここにいるんだ?』って思ったな」


「あ、あとね、何だったっけ……えっと、ミュオルっていう獣もいたって教えてくれたよ」


「マジか」



ミュオルとは主に大陸の東側に分布している獣である。


その名前が出た途端、ラリマーが皿から顔を上げた。


肉を頬張りながらティファニーを見つめるが、ティファニーはそれにまったく気づかないで話を続ける。