「セドナ」
「ああっ!?今度はなんだよ!」
「手」
「……は?」
「火傷ですよ。こんなことして大丈夫ですか?」
少年はまだ自分の胸倉を掴んでいる右手を指さす。
セドナがきょとんとした。
力が緩んだので、少年はそっと腕を離し、指の状態を確かめる。
親指と人差し指、そして中指の先が赤くなっている。
水ぶくれはできていないが、少々悪化したかもしれない。
「いらないかもしれませんけど、今けっこう力入れてましたし。
念のためですが、ないよりはいいかもしれませんね」
「……お、おう」
少年は机の下に転がっていた救急箱を掴み、中からきれいなガーゼと包帯を取り出した。
消毒薬を浸したガーゼを指先に置き、包帯で手早く軽く巻いていく。
セドナはその手際の良さに見入っていた。
「痛みますか?
包帯がきついところはありません?」
少年に問いかけられて、セドナはハッと視線を上げた。


