自覚がまったくないわけではないらしく、あははとラリマーが誤魔化し笑いを浮かべる。
見習いに出されたお茶を一口飲んで、キマーダが三人の方へ身を乗り出した。
「それで、タンザとハックは、何が原因で君たちの前でケンカをしていたんだい?」
「お前、今までさんざん説教しておいて聞いていなかったのか」
「私は揉めるなとは言っていないよ、そのことについては叱っていません。
若いうちは、お互いの気持ちを包み隠さず吐露することも必要だろう。
ただ、時と場所、場合を考えるべきだと、少しだけ教えてあげただけさ」
つまり、店内でケンカをするのは問題なし。
お客の前はダメ、そのうえ外では論外、ということらしい。
アレで少しだけなのか?とセドナが分からないように首をひねった。
キマーダたちを荷車まで案内し、ニコは三度、黒布をはぎ取る。
そこに横たわる絶命したウォルフィンに、2人の工匠は驚きを隠せなかった。
眺めていた弟子や職人たちも、あちこちで感嘆の声をあげる。
「これをどちらに売るか、そのことで揉めていました」
節くれだった指で、キマーダは鼻の頭をかいた。


