継いだものの、店は一つなので、店主にはどちらかしかなれない。
お互いに譲り合った結果、作業場は同じところを使って接客スペースだけを二つに分けた。
片方をネジ専門のキマーダの店に、もう一方を歯車専門のボルダーの店にしたのである。
それから数十年、店が大きくなり弟子たちも増え、現在に至るという。
同じ作業場で別の部品を加工することに疑問を持たないかとセドナは思ったが、ここにいる弟子たちは誰もそのことを気にしてはいなかった。
「――それで、タンザ。
あの場でケンカをしなければならない理由があったんですか?」
「……ありません」
「ハックは?」
「……僕も同意見です」
「そうですね、それならば君たちはあの場合……」
いつの間にか、キマーダの叱る口調が敬語になっていた。
さらに怖くなり、近くのブースが無人になるほどの威力である。
「キマーダのやつ、敬語になり始めたか。
あの様子じゃ、まだまだ説教は終わりそうにないな」


