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ネジと歯車を売る店は、区画の中心部に建っていた。
確かに表側の店と接客スペースは分かれているが、その後ろにある大きな建物でつながっている。
あれがボルダーの言っていた、共同の作業場だ。
裏口から荷車を運び込んだタンザとハックは、その場に正座をさせられ、説教を受けた。
ネジ屋の主人でありタンザの師匠であるキマーダは、笑顔を絶やさない人だ。
その笑顔のまま刺々しく厳しい言葉を放っているので、かなり怖い。
受けている当人たちだけでなく、その近くのブースで作業をしている他の弟子たちまで青ざめていた。
ニコたちは奥のきれいなテーブルに通され、お茶を出してもらった。
説教が終わるのを待つ間、ボルダーが昔話をしてくれる。
ボルダーとキマーダは、同じ時期に同じ職人に、それぞれ歯車とネジの加工技術を師事した。
同年というのもあり、弟子同士のなかではかなり仲が良かった。
そうして見習いを卒業したあくる年、師事していた職人が過労により急逝してしまった。
跡継ぎもおらず、兄弟子たちはとっくに自分の店を構えて出て行ったので、ひとまず二人が店を引き継ぐことにした。


