「そうだよ、今の俺は仕事中だ」
「ふうん……あ、お騒がせして悪かった。
俺はハック、あの区画で働く歯車職人だ」
確かに、ハックの作業着には歯車をモチーフにしたデザインがあった。
相当好きなのだろう。
二人にばかり自己紹介させるのも悪いので、ニコたちも名乗った。
「ニコにラリマー、セドナだな、よし覚えた。
んで、タンザの店に行くのは、ネジの依頼か何かか?」
「いえ、これを売ってほしいと言われまして。
これから詳しい話をしに彼の店へ行くところです」
「これ?」
「はい、これです」
「ばっ……!」
面倒事を避けたいラリマーが止めかけたが遅く、ニコは再び布を剥がした。
横たわる資材を見た瞬間、ハックの目もまた煌めいた。
「うぉ、ウォルフィン!
すっげえ、本物だ!どこで仕留めたんだ!?」
「クラウンのガイヤの森を少し抜けた辺りです」
「マジか、そんなところに居るとは知らなかったぜ……」
ハックが荷車の台に手をつき、口元をゆるめながらじっくりと見つめる。
ウォルフィンの商品価値を知らない者が見たら、かなり異様な光景だ。
地面に滑り落ちた布をセドナがかけ直すと、ハックはニコの前に立った。


