「どうしたんですか、さっきから」
「は!?どっ、どうもしねえし!!」
セドナは冷や汗をうかべて顔を背ける。
腕や耳まで真っ赤だ。
誰がどう見ても様子がおかしい。
大抵の人間なら勘付くだろうが、残念ながら少年は鈍かった。
ストレートに言葉を発する。
「いや、どう見てもおかしいですよ。何をそんなに慌ててるんです?」
「だーーっ!少しは察しろよ、バカ!!」
「そう言われましても。
ぼくに発想ということはできないものでして」
「だっから!ああもうっ!!」
(変な奴!)
心の中でそう叫んで、セドナは大きく息を吐いた。
まだ顔は赤らんでいる。
少年は少し唇を尖らせて、セドナの言葉を待った。
「か、勘違いするんじゃねえよ?
確かにコレ、宝石を使った髪留めを作ったけど、別に嬉しいとか思ってないから。
まだまだ俺なんか未熟だし……。
だけど、せっかく上手く出来たから、誰かに使ってもらいたくてさ……」


