極彩色のクオーレ






「今までごめんね、レムリアン。


完璧になる方法なんて、もう探さなくていいから」


「……完璧なゴーレムになラナくていいのカ?」



驚いた口調になったレムリアンの背中をぽんと叩いてリビアは笑った。



「当たり前よ、あんたは17のあたしがつくった、最高のゴーレムなんだから。


こんなに温かい心を持っているもの、完璧じゃなくていいよ。


それに……あたしには、蜻蛉花を部品として組み込む技術なんてない。


『レムリアン』のまま、改良できる自信もないわ」



リビアは身体を離して涙をぬぐう。


まだ少し戸惑っているレムリアンの頬をはさみ、目を赤く腫らしながら優しく微笑んだ。



「あんたはそのままでいい。


これからもずっと、あたしの傍にいてくれればそれでいいから。


このままだと絶対に置いて逝っちゃうけど、でも……どこにも行かないでね」


「……分かっタ」



深く頷いて、今度はレムリアンがリビアを抱き寄せた。


リビアは少し頬を赤らめながらも、もう一度彼の背中を撫でる。





「一件落着、だな」


「ったく、帰って早々、世話のかかる人形職人とゴーレムだな」



セドナがほっと息をつき、ラリマーが大きく伸びをする。


また”心”の産声をあげた左胸を、ニコはそっと撫でた。


瞼を閉じ、針から流れ込んでくるリビアの、レムリアンの”心”を感じる。