「やっぱり君のだったんですね、よかった。
破損とかはありませんか?」
「あ、あ、あ、う、うん!大丈夫だ!!
へ、変なこと考えるなよ!?
これは俺の作品で、べつに俺これをつけるような趣味ねえから!
ヒーラーみてえなことしねえから!」
セドナがばたばたと忙しなく両腕を振る。
勢いのあまり兄弟子を呼び捨てにしていたが、本人は気づいていない。
いちいち気にする必要もないので、少年は聞き流して頷いた。
「分かっていますよ。
女将さんも言っていましたし」
「は!?……な、なんて?」
セドナが今度は青ざめ、恐る恐る少年に尋ねる。
表情を変えず、少年は聞いたことをそのまま告げた。
「えっと確か、君がてぃふぁ」
「わー!わー!!わーー!!!」
再び真っ赤になり、さらに激しく両腕を振って、セドナは少年をさえぎった。
赤くなったり青くなったりと、忙しい見習いである。
少年は驚かず、息を切らすセドナを見つめた。


