最後はほとんど涙声になっていた。
感情が昂るあまり膝立ちしていたリビアは、そこまで言うと再び座り込んだ。
肩で息を切らし、その頬を涙が転がり落ちる。
「……君ガ幸せにナレないかラ」
「え……?」
「ワタシは、ワタシを大切に想ってくレル、優しく接シテくれる君を幸セにしたい」
『造主がそばにいる限り、ゴーレムは造主を幸せにすることを望みます』
いつだったか、ニコに言われた言葉が鼓膜の奥で反響する。
レムリアンは地面に倒れてしまった蜻蛉花を、壊れないようにそっと掬った。
「君が心と逆のコトを口にし、態度に出ストイうことは、きっと苦しいカラ、そうしなケレば辛いからなのカト考えた。
でも、高性能じャナいワタシにはそれが分カらない。
だからタトえ嘘だとシテも、リビアが言っていた望ミを叶えることがデキレば、その辛さも苦シミも減らせるのではないかト思った。
そうしたらマタ、君の傍に居られるのデハないカト」
もう一度蜻蛉花をリビアに持たせ、レムリアンは手を重ねた。
涙に濡れる青と金の瞳を、優しい眼差しで見つめる。
「ワタシの主はリビアだけダ。
リビアがこの世界からいなクなっテシまうソノ日マで、ワタシは君ノ傍にい続けル。
君ガ、幸せになルために動きタイ」


