極彩色のクオーレ






(やはリ、リビアは人形に優シイ……)



「……てよ」


「エ?」



レムリアンがリビアの方へ顔を近づけたのと、リビアがきっと顔をあげたのは同時だった。


木のささくれが刺さったままの手が上がる。



パンッ。



乾いた音が響いた。


平手打ちを食らったレムリアンが呆然とする。


目を丸くし、一拍置いて怒りの表情を浮かべて動きそうになったセドナの肩を、ニコが素早くつかんで止める。


ラリマーは腰に手をあてて、成り行きを見守っていた。



「リ、ビア?」



レムリアンの頬を叩いた手を握りしめ、涙を浮かべたリビアがわめいた。



「どうしてよ!あたし、あんたなんていらないって、顔合わせるたびに言って……ひどい捨て方したのに。


どうしてあたしなんかのために、こんなに動き回ってるのよ!


こんなにボロボロになるまで、それで壊れちゃったらどうすんのよ!


あたしが嘘ついてたって気づいていたんでしょう!?なのにどうして!!」