セドナは何度も、少年の顔と半田鏝を交互に見た。
嬉しさがこみあげているのか、口元がゆるむ。
「どうもありがとう。
……って、どうしてお前がここに?」
「君に用があって来ました」
少年は修理中、机の脇に置いておいた紙袋を差し出した。
「こちらは宿の女将さんから。
パンだそうです」
「え、おばさんのか?
やった、このパンすっげー美味いんだよ。
お前も食う?お礼に半分こしてやるよ」
「ありがとうございます。
あ、それともう一つ。こっちが主用でしたね」
「んあ?」
少年は胸ポケットから髪留めを出した。
「昨日、これを落としていきませんでしたか?
女将さんが君のものかもしれないと言っていましたが」
少年の手のひらを見た直後、セドナの表情と身体が硬直した。
「~~~~~~~~~~~っ!!!?」
一拍おいて、言葉にならない悲鳴をあげ、ひったくるように受け取る。
頬が真っ赤に染まっていた。


