ズザザッ!!!
ヒーラーが勢いよく数歩後ろに下がった。
女性のように自分の両腕を抱く。
(この人、やたらと反応が大きいですね……)
少年は思ったが言わなかった。
「あ、あらっ、いつの間に!?」
「さっきの客があんたに注文する時からいましたが」
「あらっあらっ、いやだわぁ、ワタシとしたことが、大事なお客サマに気づかないだなんて!
本っ当にごめんなさいねぇ~。
それで、どんな飾りをご所望かしら、素敵なボウヤ」
例のごとく、ヒーラーが手を擦り合わせ、こちらの機嫌を取ろうとしてくる。
少年は首を振った。
「いえ、セドナに用があって来ました」
「セドナに!?」
ヒーラーの声が裏返った。
少年の方に身を乗り出して、激しく首を振る。
「だめだめ!あんな子に頼んだら、ろくでもない飾りになっちゃいますよ!!
依頼ならこのワタシがすべて……」
「だからそうじゃなくて。
彼に届け物があって来たんです」
「はあ?届け物ぉ?」


