「別にいいわよ、独りで勝手に粋がっていればぁ。
けど、お客サマに仕事を頼まれないような見習いの腕、誰が信用すると思ってんの?
ハンパに勉強してきた見習いを引き取ってくれる工房なんて、そうないわよ。
スパイだと思われて、厳しく言われて追い出されるのがオ・チ。目に見えるわぁ」
「……ですが」
「んまぁっ、まだ口答えするのぉ!?
ちっとも 依頼が来ないあんたに今まで仕事を回してあげたの、誰だと思っているワケ??
ねえ、誰よ?」
「……ヒーラー先輩、です」
「小鳥の涙ほどにもならないような稼ぎしかやってないあんたに、ご飯が食べられるだけのお給料をあげたのは?」
「……先輩っす」
ヒーラーは満足そうに腰に両手を当てて胸を張り、うつむくセドナを見た。
「確かに、ちょぉ~っとだけ、言い過ぎちゃったかもしれないわね。
だ、け、ど、自分のことを棚に上げて先輩に文句を言うのは頂けないわ。
ワタシの仕事は、あんたのお守りだけじゃないの。
療養中のルーアン先生の代わりをしているし、お客サマの依頼だってこなしている。
そんな先輩の言うことに、いちいち目くじら立ててどーすんの?」


