極彩色のクオーレ






何度目かケセラが地面に視線を落とす。



ちっ。



それに苛立ったのか、ギベオンが音高く舌打ちする。


ケセラがびくりと震えた。


そのせいで声の頭がひっくり返る。



「ぎっ、ギベオンはず、ずるいもん……。


ぼ、僕と同じで、仲良しはいるのに友達はいなくて、ひとりぼっちなのにさ。


両親がいないって憐れむ人たちにも負けなくて、怖い大人にもしっかり意見が言えて、ひ、ひとりでもずんずん歩けちゃうくらい強くて……。


僕が持ってないもの、欲しいもの、いっぱい持ってるんだもん。


それが、すごく羨ましいんだ」


「……なにそれ、妬みかよ」



顎を引き、ギベオンが訝しげに眉をひそめる。


ケセラが慌ててパタパタと両腕を振った。



「そ、そういうんじゃないよぉ……。


これは籠職人のおばあさんが言ってたことなんだけど、友達は自分が持っていないキラキラしたところをいっぱい持っている人となるのがいいって。


自分もそうなりたいって前向きに思えるから……それを聞いたとき、すごく素敵だなって思ったの。


ケンカしてもすぐに仲直りできる友達もいいけど、そんな風な友達も、欲しかったんだ。


ギベオンは……友達、欲しくないの?」



ふいにケセラが顔をあげ、ギベオンと視線を合わせる。


今度はギベオンが慌てて顔をそらした。