蚊が鳴くような声に、ギベオンが呆れてため息をつく。
灰色のコルルを肩から下ろし、胡坐をかき直した。
「何度も同じこと言わせんなよ。
お前のことは、別に好きでも嫌いでもねえよ、いたってフツウ」
「そ、それなら……ぼ、僕と、友達に……なって、よ……」
ケセラはギベオンの黄金の目を見て言ったが、語尾をしぼませながらうつむいてしまい、何を言ったか分かりにくくなる。
だが、要旨は伝わったようだ。
「……は?」
一拍遅れて、ギベオンが素っ頓狂な声をあげる。
意味を理解したようで、みるみるうちに顔が真っ赤になり、勢いよく首を振った。
「なな、なんだよいきなり!?
あっ、お前、もしかしてボクが親なしの一人ぼっちだから同情してんのか?
そんな魂胆だったらお断りだからな!」
「ちち違うよ、そんなこと思って言ってないよ!」
「じゃあ何だよ、さっきまでさんざんボクのこと『嫌い』だの『苦手』だの言ってたくせに!」
「そ、それも本当だけど……」


