「ぎ、ギベオンのこと、嫌だって思っていたから……。
ニコさんが、コルルがいなくなったのはギベオンのせいじゃないって言ったとき、認めたくないって思っちゃった。
ギベオンのせいにしたいって、意地悪してくる人の仕業にしておきたくて……その方がなんだか楽だったから。
でも、それはダメだって、ニコさんにもティファニーにも言われた。
言われて、僕、分からないところでギベオンにひどいことしてるんだって気づけた。
だから、ごめんなさい。
分かっていながら、全部ギベオンが悪いってことにしようとしちゃって。
それと……嫌いな僕に協力してくれて、本当にありがとう。
おかげでデシンもコルルも、キマイレナから守れたよ。
みんな怪我しなかった」
ありがとう。
その言葉をしっかり聞いて、ギベオンは今度は驚かなかった。
代わりに頬を薄く赤色に染め、ぶっきらぼうに鼻を鳴らす。
「いつ、ボクがお前のこと『嫌い』って言った?」
「え?」
「一度も言った覚えないんだけど」
ぱちぱち瞬きし、いくらか声を落としてケセラが問う。
「……僕のこと、嫌いでいじめてたんじゃないの?」
「ムカつくから、いじめてた。あと、他のやつよりも面白かったし。
第一、ボクは嫌いなやつはガン無視する主義だから」
「じゃ、じゃあ、嫌いじゃなかったの?」
「……別によくも悪くも思ってねえよ」
嫌われていないことが分かり、ケセラがあからさまに安堵した顔になる。
(ケセラ……それは喜ぶところじゃねえぞ。
『面白い』とか『ムカつく』ってだけでいじめられてたんだぞ、怒っていいところだって)
セドナは言いたかったが、口を挟むべき場面ではないと理解しているので、工具を握りしめてこらえた。


