ギベオンが悪態をつき、素早く腕を伸ばしてケセラの胸ぐらを掴む。
至近距離で睨み付けられたケセラは、「ヒイッ!」と悲鳴をあげて上体をそらした。
「シャーッ!」
「いででででで!」
デシンに前腕を噛まれ、ギベオンは思い切り振った。
「ああっ、ダメだよぉ」
ケセラは慌ててデシンを引きはがした。
いつもは穏やかな性分なのに、どうして今日はこんなに攻撃的なのだろうか。
「なんなんだよ、さっきから。
こいつ、本当にお前のペットかよ!?
ペットなら主人のお前に似るはずだろ?」
「わ、分からないけど……。
どうしてだか、今日はいつもより荒っぽいなあ」
ケセラはコルルの頭を撫でる。
その手を止めて、顔色を窺うようにギベオンを見た。
金色の瞳に刺すように見つめられ、思わず下を向いてしまう。
「……『ごめんね』ってのは、ギベオンを疑っていたこと」
「あ?」
「僕、デシンもコルルもいなくなっちゃったの、ギベオンのせいだと思ってた。
僕がデシンを大事にしていることを知ってて……
だから、僕をいじめるために、デシンもコルルもみんな隠しちゃったんだと決めつけてた」


