極彩色のクオーレ






「そうかもしれないけど、でも、ギベオンが言うその『当たり前』ができない人たちだって、たくさんいるのよ。


最初からすんなりできる人だって、ほんの一握りだと思う。


それができるようになった、つまり成長したってことだもの。


だからケセラが得意気になっても、それは悪いことではないわ。


ひねくれて厳しいことを言うんじゃなくて、素直に認めてあげることも、人にとって大切なものじゃないかしら」



ティファニーの言葉は柔らかく、優しさで溢れている。


なのに、決して逆らえない雰囲気が潜んでいた。


直接言われていないケセラが、少しだけ怯えた表情でセドナに目配せする。



(男のくせに、なんて顔してんだ、バカ)



こちらまで叱られている気分になってしまう。


ティファニーの雰囲気を読み取ってか否か、ギベオンが薄ら笑いを引っ込める。


木の実を後ろへ投げ捨て、するすると幹を滑り降りた。


気まずそうに頬をかき、ケセラを一瞬見てすぐに視線を外す。



「……け、ケセラは鍵職人だし、ボクと同じ仕事してるワケじゃないし、その分を考えてやったらうまくできた方、だと思う。


まあ、今回だけは褒めといてやるよ。


でも調子に乗るんじゃねえぞ、こんな作戦なんて、仕掛け職人にとっては初級中の初級なんだから。


次同レベルのことやって成功したって褒めてやんないからな、ありがたく思えよ、ばかけ」