カツン、カツン、カツン。
軽い音が3つ鳴り、すぐそこまで迫る足音が反応して止まる。
ティファニーからの合図だった。
(怖がっちゃだめだ……僕が考えた作戦、僕が頑張らないと……)
ケセラはデシンを抱きしめ、怖がる自分に言い聞かせた。
心配してか、デシンがケセラの頬を舐める。
温かい舌に触れられ、ケセラの表情がほんのわずかだが綻んだ。
(ありがとう、デシン……)
デシンの鼻をつつく。
首を振り、デシンは背中から体液を分泌した。
毛に覆われているせい、ほぼんやりと薄く光り出す。
ケセラの周りに集うコルルたちも、同じように光を生んだ。
緑・赤・黄・青。
4種の光がケセラを囲い、すぐそばの景色をうっすらと照らし出す。
「グルルル……ガゥ?」
光に気づいて、キマイレナが顔を上げた。
キマイレナが歩いてきた、洞窟の奥まで続く太い中央の道。
それを挟む岩壁の高いところには段があり、入口から歩いて進めるようになっていた。
天然の通路である。
ケセラはコルルたちと右壁の段に座り、ティファニーは左壁の段に隠れていた。


