ニコを呼び、ケセラはデシンを抱き上げた。
デシンが器用に主人の肩に乗り、彼の後頭部に前足をかける。
「ぼ、僕、仕掛けとか、そんなこと、ギベオンじゃないからうまく考えられないかもしれないけど……それでも、大丈夫?」
「はい、何もケセラ一人ですべてやれとは言っていません。
元の案さえ考えてくれれば、ぼくがいくらでも改造しますよ。
マスター、前の主人に似たのか、アレンジすることなら得意です。
だから安心して、ケセラの好きなように、自由に発想してください。
サポートはぼくに任せてください」
ニコが自分の胸に手を当てた。
少しだけ、ケセラの中から不安が消える。
かっこいいね、と、ティファニーがニコの背中を叩いた。
(そうだ……僕にしかできないんだ。
誰か、じゃなくて、僕が考えないといけないんだ、やらなくちゃ、だめなんだ。
デシンを、コルルたちを、ティファニーを、ニコさんを……キマイレナから守るために)
「……分かった、僕、考えるね」
長く息を吐いて、ケセラはニコを見上げた。
相変わらず頼りなげな雰囲気だが、これまでとは異なり、芯が通っているように感じる。
意を決した表情で、ニコの薄荷色の瞳を見つめていた。
「お願いします」
キン、と左胸に音と熱を感じながら、ニコは小さな鍵職人に頷いた。


