足を元に戻して、ニコはティファニーたちのもとへ走る。
「ちょっと、失礼します」
「え?……きゃっ」
ニコはティファニーをひょいと持ち上げて肩に担ぎ、空いている方のわきでケセラを抱えた。
突然のニコの行動に、ティファニーもケセラも気が動転してしまう。
カチカチカチ、と歯車の回る音がした。
そして、
「行きます、しっかり捕まっていてください」
言い終わる瞬間に、ニコは駆け出していた。
助走もなく、踏み込んだ勢いだけで何メートルもひとっ飛びしている。
彼が地に足をつける度にその振動が腕を介して伝わってくる。
(は、やい……!)
振り落とされないよう、ティファニーはニコの腋と肩にしがみついて唇を強く結んだ。
「うわああああっ!?」
ケセラは悲鳴をあげつつも、顔に当たっている風圧にどうにか耐える。
ニコたちの姿はあっという間に見えなくなり、悲鳴も遠のく。
ギベオンが呆気にとられて呟いた。
「……やっぱすごいな、どんな仕組みになってるんだろう」
(あ、ケセラに目を瞑っといた方がいいって言うの忘れてた)
申し訳なくなって合掌し、セドナはキマイレナを見た。
キマイレナは虎挟みに牙を突き立て、強引に壊そうとしている。
セドナの全身から、冷や汗が噴き出した。
「ぎ、ギベオン!どうすりゃいいんだ!?」


