「あまりそうは感じませんが」
「あー、あれだろ、修理しまくって慣れたんだろうな」
「そういうものでしょうか」
「一回膜を全部引っペがした自分、鏡でよく観察してみろ」
傍から2人の会話を聞くギベオンは、いくつか引っかかった言葉を脳内で反復する。
(潰れた腕、直した、合成樹脂膜、複雑な構造……まさか)
たたき出した推論を頭の中で否定しつつ、ギベオンは再びニコを見上げた。
それに気づいて顔を下に傾けたニコと視線が合う。
「なんですか?」
「お前、もしかして、ゴーレムなのか?」
ニコはセドナの顔を見るが、セドナは首を激しく横に振って指で×印をつくる。
彼が教えたわけではない。
ということは、今の会話でそう連想したのだろう。
「ご名答です」
ギベオンは目を丸くして、改めてニコを観察する。
「……すごい、どうみても人間なのに。
誰が造ったんだ?
リビア……なわけないか」
「自分を『マスター』と呼ばせる男です。
ぼくはそれしか教えてもらえなかったので、彼の本名は分かりません」
「ふぅん、じゃあ、あの有名な『天才』かもしれないってことだな。
『天才』が造ったゴーレムなんてそう見れない。
いや、『天才』じゃなくとも、こんな高性能なゴーレムに会えることなんて滅多にない。
もっとよく見させてよ!」


