極彩色のクオーレ






悔しそうに舌打ちするセドナをよそに、ギベオンはのんびりと肩を回す。


ぬいぐるみをつまんで、ニコは抱いていた疑問を投げかけた。



「ギベオン」


「あん?」


「ここの通り、やけに罠が多いですね。


なにか思い入れでもあるんですか?」


「そんなのないよー。まあ、強いて言うならボクの家がある通りだからかな」


「家?」


「あそこ」



ギベオンが指差す家を見上げる。


するとそこには古ぼけた時計塔があった。


文字板にまで苔が生え、針は時を刻む仕事を放棄している。



「あの時計塔が、お前の家?」


「1階部分が作業場兼家。


元々は1階建てだったんだけど、時計職人の両親が自分たちで付け加えたんだ。


ま、ボクは時計なんてこれっぽっちも興味ないし、関係ないけど」


「へえ、それにしてはずいぶんボロっちいな。


針も壊れてるみたいだし……直さなくていいのか?」


「設計図を知っているのはボクの両親だけ。


だから直せるのも両親しかいないんだけど、ボクが仕掛け職人になることについて大ゲンカしている最中に病気で死んだよ。


だから、あの時計塔を直せる奴はいない」