極彩色のクオーレ






「……やっぱり、盗られたのかな」


「え?」



ケセラのその言葉が、ティファニーの耳にするりと入る。


胸の前で指を合わせて、ケセラが呟き声で続けた。



「きっと、ギベオンのせいだ。


い、いつも僕に意地悪いことして楽しんでるから……。


だから、デシンを連れ出しどこかへ隠して、探している僕を見て笑ってるんだ」


「ケセラ」



ティファニーがやんわりとだが厳しさをもってケセラを呼んだ。


彼の両手を捕まえる。


目隠しでティファニーの目は見えないのに、ケセラは彼女から顔を背けた。



「確かにギベオンは意地悪かもしれない。


私はケセラがいじめられているところをいつも見ていないから何とも言えないけど。


それだけでギベオンのせいにするのは良くないよ。


ケセラだって、そうやって誰かから疑われたら嫌でしょ?」


「うう……」


「自分が嫌だと思うことは、ほかの人にやってはいけないよ。


もちろん、本人がその場にいようといまいとね」



ケセラが悲しげに瞼を伏せる。


ティファニーの言うことが正しいと分かっているが、それでも納得いかないという表情だ。



「で、でも……それなら、誰が連れて行っちゃったの?」


「連れて行かれたとは限らないわ。


とにかく、まだ探していない場所に行ってみましょう。


どこがある?」