ティファニーが尋ねると、ケセラが眉を八の字に下げた。
ゆがんだ口元が小刻みに震えだす。
「デシンが……まだ戻ってこないんだよ」
「え?」
「もう1か月も経っているのに……どこ行っちゃったんだろう」
ケセラがうつむく。
目尻に盛り上がった涙がこぼれ、ティファニーの手にかかった。
「泣かないで、ケセラ。また探しに行ったの?」
「うん……も、森の奥は怖くて、まだ探してないけど……
し、死んじゃったなんてこと、ないよね!?」
「死……っ、だ、だめだめ!悪く考えちゃだめ。
ケセラがまだ探してなくて、デシンが行きそうな場所、ほかに心当たりはない?」
「え……」
ティファニーは明るい調子を保ち、ケセラの思考回路を前向きなものにさせようとする。
だがその反面、頭では別のことを考えていた。
場所を挙げていくケセラの話を聞き流しながら、ティファニーは考えをめぐらす。
(いなくなってから1か月……野生の動物もコルルについてもよく分からないけど、こんなに長い間住処に戻らないってこと、あるのかしら。
もしかしたら本当に死んじゃったのか、それとも……)


