「てぃ、ティファニー……!」
ティファニーが足を止めると、脇道からケセラが飛び出してきた。
何もないところでつまずき転ぶ。
「ぐえっ」という悲鳴にティファニーは驚き、鞄を落としてしまった。
「え?あれ、だ、大丈夫?」
「うん……だいじょう、ぶ」
ケセラは両手で鼻を押さえ、ゆっくり立ち上がる。
真っ赤になっているが、ひとまず大丈夫な様子だ。
「その声、ケセラだよね?本当に大丈夫なの?」
「え?あ、うん、だいじょ……」
ティファニーに言われて、ケセラは彼女の目隠しに気づいた。
(そうだ、ティファニーさん、目が見えないんだった)
ケセラは断りを入れてティファニーの手を握り、自分がどこにいるのかを伝える。
ティファニーはケセラの手から腕、肩、そして顔に触れた。
いきなりのことに、ケセラが頬を赤らめる。
「すごい音して転んだけど、ケガとかしていない?」
「う、うん……」
「良かった」
ティファニーが手を離すと、ケセラは恥ずかしそうにフードをかぶった。
立ち膝になり、ティファニーはケセラと顔の高さを同じにする。
「一週間ぶりだね。どうしたの?何かあったの?」


