極彩色のクオーレ






「ケセラ、コルルはそこら辺で簡単に見れるものですか?」


「え?うん……シオードに入れば。


コルルはガイヤの木の実や幹の皮をよく食べるって聞いたことあるし、どうして北側にしかいないのかは分かんないけど。


あ、街の中には入ってこないかな……」


「なら、誰でもコルルを捕まえることは可能なんですね」


「多分……」


「そうですか。だとしたら少々厄介なことになっているかもしれませんね」



ニコは顎に手を当てて考え込む。


彼の考えを悟ったのか、ティファニーの表情も強張った。


頭を抱えているセドナの顔つきも暗い。


ケセラは分からない様子でいるが、三人の雰囲気に泣きそうになっている。



「ニコ、それってもしかして……」


「ええ、盗まれたということも考えられます。


価値の分かる商人などにとっては、動くお宝同然ですしね」


「確かにコルルを管理しているやつはいねえもんな。


ランプ職人やほかの職人が、体液をとりに探しに行くくらいだし。


コルルの1匹や2匹いなくなっちまっても、誰も気づかねえ。


そもそもコルルが何匹くらいいるのかさえも分からないからな」


「そ、そんな……デシンが……ぬ、盗まれた……」