夕刻の噴水広場は、菓子売りの屋台が並ぶ。
子どもたちは小銭を握りしめ、おいしいお菓子を食べにくる。
そのため、昼間と違い子連れの人が多かった。
ティファニーたちは、クレープ屋が目の前にあるベンチに腰掛けた。
「そうか、ティファニーはこいつらと会うのは初めてか。
こいつは見習い鍵職人のケセラ。
そんで、あっちこっちに罠をつくっているさっきのバカは、仕掛け職人のギベオンだ」
「ケセラです。助けてくれてありがとうございました」
ケセラがベンチに正座して、ティファニーに深々と頭を下げた。
「いいのよ、たまたま通りかかって良かった。
私はティファニー、今クレープを買いに行ってくれてる彼はニコよ」
「ティファニーお姉さんに、ニコお兄さん……」
ケセラは二人を交互に見た。
そこでセドナがケセラの肩を叩く。
「言っとくけど、ティファニーと俺は同い年だからな」
「え!?」
ケセラの瞳がくるんと回る。
驚きのあまり、ベンチからずり落ちそうになった。
セドナの口元がひくつく。
「おい、ケセラ。その反応はどういう意味だよ?
俺がティファニーよりもガキに見えたってことか?」
「あうう、そ、それは……」
「こーら、年下の男の子を怖がらせたらダメだよ」
詰め寄るセドナに、ティファニーがやんわり言った。
「年下って、ケセラもギベオンも、俺らと2つしか違わないぞ」
「2つだろうと20だろうと、年下は年下でしょ」
「あ、あのっ」
ケセラがニコを指差す。


