「ごっ、誤解だ!
俺はケセラをいじめたことなんか一度もねえ!
なあ、ケセラ、そうだろ!?」
セドナが必死に同意を求めると、ケセラはティファニーの陰から恐る恐る顔を出して頷いた。
「う、うん。
セドナは僕がいじめられているところを見たら、助けてくれたよ……。
いじめた人はみんな覚えてるけど、セドナはそこにはいないから。
お兄さんもお姉さんも、勘違いしないであげて……」
「なら、どうしてそんなに怯えてるんです?」
ニコに問われて、ケセラは俯いて小声で答えた。
「だって、セドナ……追い払ってくれるとき、すごく怖かったんだもん。
もちろん、ありがとうって心から思ってるけど……やっぱり、怖くなっちゃって」
思い出したのか、ケセラがぶるるっと身震いする。
自覚があるのだろう、セドナは何も言わずに頭を掻く。
ティファニーはケセラを撫でながら、ニコの方に顔を向けて首を傾げた。


