極彩色のクオーレ






少年と酒を飲んでいない狩人たちで、食堂の片づけをする。


正気な狩人の大半は酔っぱらいの相手をしているので、片づけは女将を含めて三人だけ。


床に落ちている食べこぼしや酒、割れたグラス、脚の折れた椅子が、男たちがどれだけ好き放題にしていたのかを物語っていた。



「まったく、アタシは騒いでいいとは言ったけど、怪我させていいとはひとっ言もいってないよ。


なに考えてんだか、これだから悪酔いする男は……」



女将は食器を洗いながら愚痴をこぼしている。


慣れていても、怪我が絡むと違うようだ。


当事者でない青年が、彼女の呟きに申し訳なさげに肩を竦めた。



「女将さん、この割れた皿とかコップ、直しましょうか?」


「いいよいいよ、どうせ古いやつだったんだ。


椅子と一緒に買い直すよ」



女将はひらりと手を振った。


そうかと納得して、少年は集めた破片をすべてゴミ箱に捨てた。


青年が脇のテーブルを戻しながら、感心したように言う。



「さすが職人の街・ルースだな。


ファイアだと、皿も椅子もそう簡単に買い替えられねえからな……」


「そうなんですか」