極彩色のクオーレ






「身を守るために使えた方がいいと、マスターは手板で操作するように改造してくれました。


でも、この操り方がかなり難しくて、なかなかできるようにならなかったんです。


1週間近く練習して、初めて自力で成功したときは嬉しかったですね。


試しに撃った砲弾でグリーズ(灰色の熊のような獣)を仕留めたのは、ぼくもマスターも驚きましたが」



隣に腰掛けた少年の腕を、ティファニーは恐る恐るつついてみた。


右膝も同様にするが、感触だけでは、とてもここに兵器が仕込んであるとは思えない。



(修理屋くんは簡単に言っていたけど、これはかなりの技術だよ……)



腕組みしたセドナがうなった。



「うーん、聞けば聞くほど技術の凄さに驚かされるなぁ。


だけど、お前を捨てちまったんだろ?


技術は最高だけど、性格は最悪の人形職人だったのか?」


「うーん、少々意地の悪いところはありましたね。


でも自分に正直な、素直な性格の人でしたよ。


嘘をついたり騙したり、相手を傷つけるようなことはしませんでしたし、本当の意味で性格が悪かったらぼくにこんな人格を与えなかったでしょうし、ひょっとしたら改造すらしてくれなかったと思います。


ぼくが人間として生きていけるようあれこれ教えてくれて、単にお前とかゴーレムとかではなく『25番目』と名付けてくれました」


「25番目って?」


「マスターが造った、もしくは改造した25番目のゴーレムがぼくだったそうです。


25という数字は、彼の気に入っている数字だそうで」



ティファニーがふうんと言って頬杖をついた。



「自分のお気に入りの数字で呼んでくれたんだ。


確かに、そこまで悪い人じゃなさそう」


「そうか?普通はちゃんとした名前をつけるもんじゃねえの?」



面白くなさげにセドナが鼻を鳴らした。