極彩色のクオーレ






「エネルギーが残りわずかになり、体もうまく動かせなくなって、どこかもわからない森をさまよっていたときにマスターと出会いました。


マスターはぼくに何か話しかけてくれましたが、雑兵人形のぼくには音は認識できても電脳回路がなかったので意味は理解できなかったし、また声も持っていなかったので彼と意思疎通はできませんでした。


沸き立つ感情のまま彼を殺そうとしたときにエネルギータンクを抜かれ、次に目を覚ましたらこの姿になっていました」



セドナに尋ねられ、少年は改造前の自分の外見を描いてみせた。


人間と同じように、頭部、胴、四肢があるが、そのどれもが太い。


特に両腕は、アンバランスなほどに大きかった。


顔は目のようなものがあるだけ。


四肢にはナイフや小型の砲が、胴体にも大砲が仕込まれている。



「これまで感情と記憶しか持たなかったぼくに、マスターは人格と脳、声などを与え、人間に近いゴーレムとして造り替えてくれました。


羅針盤を用意してもらえたことで、感情をコントロールできるようになったのが大きな救いでしたね。


それが1年近く前のことでしょうか。


マスターは森に簡単な小屋を建てて、そこでぼくに人として生きることや修理の技術を教えました」




おや、とセドナは思う。


大陸全土の終戦条約が結ばれたのは2年前。


仮に終戦直前から逃げ出したとしても、少年は1年近くもさまよい続けたということになる。



(人間だったら確実に死んでいるよな……)



セドナは話を聞きながら、首筋にうそ寒さをおぼえた。



「マスターと過ごすなかで、『喜び』と『楽しさ』の感情も教えられました。


確か、壊れた物を直すことが楽しいと思ったときと、自分を操ることができるようになって嬉しいと感じたときですね。


ぼくに自覚させる形で心を覚えさせたのは、彼が初めてです」


「自分を操る?」