極彩色のクオーレ






少年は紅茶を飲み干して、何から話そうかと視線をめぐらす。


その間ティファニーは少年の方へ顔を向け、セドナは天井の木目を見上げなから待った。


外に居る小動物たちも、窓を叩くことなくそこに座って中を見つめている。



「ややこしくなるんで、ぼくに関することから話しましょう。


……マスターに改造してもらう前、ぼくは雑兵(ぞうひょう)人形として造り出されました。


それがいつのことかは、ぼくにもマスターにも分かりません。


ただ、ぼくの身体にヨリジェ国の印があったことと、内蔵されてあった兵器の型から、50年以上前に製造されたのではという話になっています」


「ご、50年前……」



唖然とした様子でセドナが呟いた。


無理もないことである。


現在開発される人形やゴーレムでさえも整備にもよるが平均寿命が40数年なのだ。


少年やマスターの見解が本当であれば、それ以上の年月動く人形が、50年以上も前、しかも技術革新が起こる前に存在した。


そのうえ、壊される可能性の高い雑兵人形だ。


にわかに信じられない話である。



「ぼくはずっと、戦地へ赴きました。


エネルギーを補給され、動く限り人間と戦い、兵器を使って殺しました。


そういう命令信号が、電脳回路に組み込まれていたんです。


もちろん、破壊される可能性の高い人形に感情や思考は与えられません、人間によってインプットされた敵を認識しては殺す、命令に従ってひたすらそれを繰り返しました。


これは後でマスターに教えてもらったことですが、ヨリジェが大国になったのもぼくのような人形兵を多用したことが大きな要因になっているようですね」