極彩色のクオーレ






ゴーレムだから。


ティファニーの言葉に既視感を覚える。


悪い意味ではなく、肯定的な内容のセリフだ。


いつ耳にしたのか。


少年はカップの水面に映る自分の顔を見ながら、記憶を巡らせる。



『お前がゴーレムだからかな、こんなに開けっ広げな気分になれんの。


おれ、人間は好きでも嫌いでもないから、自分を見せられねえんだよなぁ』




マスターだ。


まだ森を出る前、修理屋としての技術を教わっていたある夜のことだ。


2人で焚火を挟み、マスターがこれまでの旅で感じた人々に対する気持ちを素直に吐露していた。


少年は気の利いた相槌はせず、ただマスターの言葉に耳を傾けた。


少年がゴーレムでなく人間だったら、ティファニーの言う曖昧な感情、偽善偽悪的な側面から意見していただろう。


だからマスターは、『お前がゴーレムで良かった』とも言った。


人間のように複雑な思考も感情も持たず、ただ話を聞くだけだったから。