触れてはいけないことだったのか。
しかし、ティファニーは何ともないといった様子で答えた。
「産まれたときからずっとだよ。
この家は木工職人の父さんが、自分で建てたんだって。
母さんは隣の国から来たときに父さんと出会って、すぐに結婚して、私が産まれたの。
父さんは小さい頃に事故で死んじゃって、母さんも5年くらい前に病気で亡くなったから、今は独りで住んでいるわ」
声音は明るいが、俯き加減なので、余計に表情が分からない。
いつもなら、目隠しをしていることを忘れてしまいそうなくらい、屈託なく笑っているのに。
セドナが戸惑いと申し訳なさをないまぜにした顔つきになった。
「ティファニー……初めて、だな。
ちゃんと答えられたの」
「うん。他の人にも、セドナに聞かれても、はぐらかしちゃうか、すごく遠回しにしか言えなかったのにね。
自分でもよく分からないけど、どうしてだろう……やっぱり、修理屋くんがゴーレムだからかな。
ゴーレムには人間がもつ曖昧な感情や、偽善偽悪的な側面がないって、聞いたことがある。
うまくは言えないけど……そういうの向けられると、苦しいから」


