ティファニーに頼まれた仕事を済ませるころには、辺りは暗くなっていた。
真っ暗な森の中に、家の明かりがぽっかり浮いている。
「夕食にお客さんが2人も来てくれるの、久しぶりだわ」
「あー、ティファニーいいって、おれが運ぶから」
料理を運びながらティファニーがにこにこ笑う。
大きな器になみなみと注がれたスープが、彼女が歩くたびに揺れる。
少し前に来たセドナが、こぼしたらまずいと交替した。
丸テーブルに料理が並んでいく。
宿屋のように豪勢な食事ではないが、ティファニーの嬉しさや温かさが伝わってきた。
「久しぶりって、セドナ以外にごはんを食べに来る人がいたんですか?」
「うん。ずっと前にね」
「あいつの話はよせよ、思い出すだけで疲れてくる……」
げんなりとした様子でセドナが腰かけた。
ティファニーも笑って椅子に座る。
「あはは、セドナは本当にラリマーが嫌いなんだね」
「大っ嫌いだ、あのへらへらした嫌味屋」
「ラリマー?」
「その人の名前だよ。
今は旅に出ていてルースにはいないけど」


