「修理屋くんの見た目って、そんなに人間に似ているの?」
「大抵は、人として見てもらえます」
「すごーい。ねえ、ちょっと顔、触ってみてもいいかな」
「構いませんよ」
ティファニーが腕を伸ばし、こわごわ少年の頬に触れる。
少年はおとなしく、瞼や口元を触らせてやった。
頭髪までたっぷり確かめて、ティファニーが手を戻す。
「ごめんね、またいっぱい触っちゃって」
「気にしないでください。ご感想は?」
ティファニーは両手に顔を向け、今度は自分の顔を触ってみる。
それから再び指先で少年の頬をつついた。
「本当だね、私と感触がよく似てる、人間の顔に触っているみたいだわ。
でも体温はないのね、じっくり触れば誰でも分かっちゃいそう。
……こんなにそっくりだとは思わなかった。
あなたを造った人は、すごい技術を持っているのね」
「……そうでしょうか」
自分がゴーレムであることを明かした相手は、口々に『マスター』の技術とそれによって生み出された少年を褒める。
確かに外見も性能も、他のゴーレムより限りなく人間に近い。
だが、造り替えた『マスター』は、少年を捨ててどこかへと去ってしまった。
造主に捨てられたゴーレムに、褒められるだけの価値があるのか。


