裏通りを出たところは、大きな噴水のある広場だった。
白を基調としたデザインが優しい。
街路樹の足元に芝生を植えこんでいるところもあり、そこで昼寝をしている者が何人かいた。
飲食店だけでなく、さまざまな軽食を扱う屋台が並んでいてにぎやかだった。
二人は噴水近くのベンチに座り、サンドを頬張った。
店やつくる人によって、使っているパンも具材もかなり異なる。
ティファニーお気に入りの屋台では、ふんわり焼き上げたパンとチーズが人気の秘訣のようであった。
具もぎっしり詰められ、はみ出さないように食べるのに一苦労だ。
ちなみに少年が長くお世話になった宿・レイシのサンドは、女将特製のソースを売りとしている。
もちろん美味しいと評判で、女将は宿泊客の食事以外にも忙しそうにサンドをつくっていた。
「どう?」
「美味しいです」
「でしょう?チーズがすごく好きなの。
あ、『レイシ』のおばさんのサンドも大好きだけどね」
少年の反応に、ティファニーは素直に喜びを表した。
ベンチに深く座り直して、足をぶらぶらさせる。
食事中じゃなかったら、またあの鼻歌を歌い出しそうだ。
「嬉しそうですね」
「え?だって、美味しいもの食べるとおなかから元気出てくるでしょ。
私、ごはん食べるの好きだから。
美味しいものが食べたくていろいろ考えるようになって、お料理も得意になったんだ」


