小さく「ごめんなさい」と言ってから、街路樹の枝を数本折る。
それらを折れた部分に当て、細い縄できつく縛った。
応急処置である。
「ひとまず、これで使えます。
あまり体重をかけないでくださいね」
「ありがとう、さすがだね、修理屋くん」
ティファニーは両手で杖を触り、少年がどのように修補したのかを確かめた。
少年は自分の財布を開く。
「途中で材木屋に寄っていいですか?
ティファニーの杖、破損がひどくて完全には直せないから新しく作ります」
「えっ、大丈夫だよ、直してもらったから」
ティファニーは杖の先で軽く地面をつついた。
平気だというサインだ。
しかし直した当人は首を振る。
「それだとかなり不安です。
簡単な衝撃ですぐ壊れるかもしれません。
怖い思いをさせてしまったお詫びですから、気にしないでください」
少年はティファニーの頭に手を置く。
ティファニーは少々顔を赤らめて承諾したが、少し怒った様子で少年の手を外した。


