(しまった……また『改造前』になりかけた。
でも、前より早く収まりましたね。
マスターの盤にセドナの”心”、それと……)
『修理屋くん!』
ティファニーに呼ばれて、暴走しかけた少年の感情は鎮まった。
あの声がなかったら、今頃どうなっていただろう。
少年は束の間目を閉じて、悪いイメージを追いやった。
右手を離し、ティファニーの背中を撫でる。
「怖がらせてすみません。
ですが、どうしても彼らのやっていることが許せなくて……」
「よくあることなの」
ティファニーはやや俯いて言った。
それは様々な感情をどうにか冷静を装って隠し発した声音だった。
「よく、あるんですか」
少年は改めて周りに散乱する荷物を見る。
こんな苦しい思いをすることが、彼女にとっては『よくあること』なのか。
ティファニーの細い指が目元に触れた。
「やっぱり、目隠しして杖をついているせいかな。
街の子に意地悪なことをされちゃうの。
周りに大人がいたら気づいて追い払ってくれるんだけど……すっかり忘れて、こんな裏道に来ちゃった。
助けてくれてありがとう」


