「あの、見せてもらえますか?」
「え?あ、はい……」
人形を受け取った少年は、テラスの端にあぐらをかく。
服を脱がせ、それをティファニーの手に持たせた。
「ティファニー、人形の服です。
こちらは専門の君にお願いします」
「あ、うん、分かったわ」
すぐに了承して、ティファニーは別の針を用意する。
少年はポーチから工具を取り出した。
自然と子どもが集まってくる。
「なにするのー?」
「人形、直してあげますよ」
「お兄ちゃん、直し屋さんなのー?」
「はい」
テラスの下にいる子どもたちが、顔を輝かせる。
外れた歯車を直そうと工具を入れたとき、すぐ傍にモルガがとてとてと歩いてきた。
「お兄ちゃん、直る?」
「直しますよ、安心してください」
ティファニーにならって、少年もモルガの肩を撫でる。
わずかだが、モルガの表情が和らいだ。
修理を始めた少年と修繕を始めたティファニーの周りに、子どもだけでなく主婦たちも集まり、作業を見守る。
15分ほどで人形が、さらに5分経って服が直った。


